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長岡君は長電話が大好きな所謂“電話魔”。 その日も雑誌で知り合った友人を相手に、せっせと長電話に興じていた。 「テレビ電話みたいなのがあると、もっと便利なのにねぇ」 『そうだよねー』 そんな他愛もない会話をしていた最中の事。
長岡君は、ふと、電話機のそばにあったティッシュの箱を見た。
(あ?) 取り出し口から飛び出しているティッシュ。 それがするりするりと箱の中に入り始めた。 まるでシュレッダーに吸い込まれるコピー用紙のようだった。
呆気にとられて見ているうちに、ティッシュは全て箱の中に納まってしまった。
『おい、長岡ぁ。どうしたぁ?』 友人の声で我に返った。 慌てて今しがたあったことを話す。 『中に虫かなんかいるんじゃねーの? そいつの仕業とかさ』 「む、虫ィ?」
長い触角を持ち、黒光りした、平べったい体躯のアレ、だろうか。 それとも、薄茶色の身体で、強靭な長い脚を持ったアレ、だろうか。 いやいや、数え切れないほどの体節と脚と毒を持ったアレ、かもしれない。 もしかしたら、手も足もなく、うねうねごろんとした体躯のアレではないか。 一瞬、腕が粟立った。
――こうしていても仕方がない。 恐る恐るティッシュの箱を振ってみる。 中に何かがいるような手応えは全くない。 再度振る。 やはり何の手応えもない。 逆さにして振ってみる。 何も出てこない。
『だったら箱を開けて見てみれば?』と友人は暢気に言う。 「それしかないだろうな……」と、とりあえず箱を開けることにした。 箱の縁をナイフでさくさく切り裂く。
一呼吸置いて、そっと中を覗き込んだ。
「……虫はいないみたい」 『じゃあ、紙の残りが極端に少なくなっていて中に落ちた、とか。よくあるじゃん』 「それはないよ」 何故なら、中身は半分以上残っている。
思わず首を捻ってしまった。
念のため、もう一度箱の中身を覗いてみた。 一番上のティッシュは綺麗に折りたたまれていた。 そして、そのティッシュには皺一つなかった。 |
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